カテゴリー:こども図書館
Tweet
記事分類:お知らせ公開日:2024年8月 7日
こども図書館職員が中国新聞「子どもたちへ本の招待状」(2024年7月)で紹介した本です。
本選びの参考にいかがですか?
『その魔球に、まだ名はない』
エレン・クレイジス 著 橋本 恵 訳(あすなろ書房)
1957年、10歳のケイティは、ピッチャーとしての腕を見込まれ、リトルリーグのコーチに入団テストを受けるよう勧められます。合格して有頂天になるものの、女の子と分かったとたん、一転して不合格に。
納得がいかないケイティは、「野球は男子専用のスポーツ」というリトルリーグの言い分を覆すべく、女子プロ野球について調べ始めますが...。
米国がソ連と宇宙探査でしのぎを削り、公民権運動が広がりを見せつつあった時代。消されていた女子野球の歴史を掘り起こし、差別を認める不当なルールの撤廃に挑む少女の物語です。
『クロスオーバー』
クワミ・アレグザンダー 作 原田 勝 訳(岩波書店)
おれはジョシュ、12歳、双子。おれたちは中学のバスケットボール部で活躍している。父さんは元プロバスケ選手。練習につきあい、心得を教えてくれる。今、おれたちのチームは郡大会で順調に勝ち進んでいる。だけど、父さんの体調が...。
物語は、バスケ中心の生活を送るジョシュが、思いや葛藤を会話や短い言葉で語り、進んでいきます。活字の字体、大きさや太さ、レイアウトがページで変わり、ボールが弾むようにリズミカルに、心の動きを感じながら読むことができます。
バスケのゲームと人生がクロスする躍動感を味わってみませんか。
『歌がにがてな人魚』
ルイス・スロボドキン 作 小宮 由 訳(瑞雲舎)
人魚の学校では、上品に泳ぐこと、タツノオトシゴに乗る練習など、いろいろな勉強をしています。
中でも大切なのは、歌の授業です。みんな金色の長い髪をとかしながら、甘く澄んだ声で歌うのですが、赤い髪のシンシアだけは別でした。巨大なウシガエルのような低く大きいだみ声だったのです。一人きりで発声と音階練習ばかりさせられ、みんなと一緒に歌わせてもらえません。
ある日とうとう我慢できなくなり、ありったけの声で校歌を歌い出しました! すると...。
人魚だけでなく人間たちの危機も救ったシンシアを、応援したくなる物語です。