カテゴリー:こども図書館
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記事分類:事業報告公開日:2020年10月 1日
令和2年9月15日(火)に、5-Daysこども文化科学館1階アポロホールで、講演会「科学絵本で読み聞かせ」を開催しました。
講師は児童文学評論家で、『こちら本の探偵です』(径書房)、『自然とかがくの絵本総解説』(自由国民社)等、子どもの本や文化の紹介、執筆活動などで幅広く活躍されている赤木かん子さんです。
講演では、講師が現在深く関わっている学校図書館での経験を踏まえ、今を生きる子どもたちが求めているものと、大人が手渡したいと思っているものの違いを指摘されました。児童向けの本として、多くの司書や大人が思い浮かべるのは、物語などの文学だが、今の現場では物語を読む子は少ないこと。子ども向けとされる科学の本では満足しない子どもが多いこと。科学分野の新発見が次々に成される現状で、古い学説や現在ではまちがいとされる記述が含まれる資料は、参考資料として取っておかなければならない場合を除いて、早めに処分することなどを、具体的な例を挙げながら説明されました。
また、科学に関する本を作成する際の裏話や、読み聞かせで、子どもたちが興味を持つ場面の見せ方・工夫の仕方などを、実際に本を手に取って紹介されました。
「労働とは、自分のために働くこと。仕事とは、人のために働くこと。」と話され、自分が好きな本を勧めるのではなく、相手が必要としている本を見極め、手渡すことが大事と強調されました。
参加者の皆様からは「大人が読んでほしい本と、子どもの心が動かされる本は違うということに、常に気を留めていたいと思います」、「幅広い知識を得、それをつなぎ合わせていく力、そして力強く発信していかれている人柄に感動しました」、「科学絵本に対する考え方が変わりました」などの感想が寄せられました。