カテゴリー:こども図書館
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記事分類:事業報告公開日:2019年11月 1日
令和元年10月3日(木)に、5-Daysこども文化科学館1階アポロホールで、講演会「絵本の絵を読む~総合芸術としての絵本を深く読み、楽しむために~」を開催しました。
講師は元聖和大学教授で、青山台文庫や絵本学研究所を主宰され、『A History of Victorian Popular Picture Books Part1 , Part2 』、『メルロ=ポンティと〈子どもと絵本〉の現象学』等、絵本に関する著書を数多く発表されている正置友子さん。
講演では、絵本をただ読むだけではなく、自分の目でしっかりと絵を見て文字を読む大切さを話され、ジェーン・ドゥーナン著の『絵本の絵を読む』(正置友子・灰島かり・川端有子訳 玉川大学出版部 2013年)で取り上げられている絵本約50冊のほか、数多くの絵本を紹介されました。
また、絵本は言葉と絵と物語が融合して、一つの世界を創りだしていること。絵本は読み物への橋渡しをする役割を引き受けることもあるが、それだけではなく、いくつになっても楽しむことができるもの。表紙から裏表紙までで物語がデザイン的に構成されている芸術であることなど、12の項目を挙げて絵本が総合芸術であることを解説されました。
そして、保育園や小学校等で絵本の読み聞かせをする際に、どのような絵本を読むか、絵本を通して子どもたちに何を伝えるかを考え学び続ける大切さを話されました。
参加者の皆様からは「改めて絵本の楽しさ、子どもにとってどれほど大切なものかなど学びました」、「絵本の絵を読むことについて大変勉強になりました」、「心にずしんと重く響くお話でした。先生の本も紹介された絵本も、もう一度先生の話を思い出しながら読んでいきたいと思っています」などの感想が寄せられました。