第3回21世紀広島市図書館計画検討委員会議事録
1 日時 平成14年7月18日木曜日 午後1時30分〜4時30分
2 場所 広島市立中央図書館3階セミナー室
3 出席委員 委員長 田村俊作 副委員長 柴田幸子
委員 岡原重則 久保田貴美子 熊本裕子 小池源吾 田中聰司 中村隆行 山田宏美
4 欠席委員 委員 前田香織
5 事務局 中央図書館長 こども図書館長 まんが図書館長
安佐南区図書館長 中央図書館管理課長 中央図書館事業課長 外3名
6 議題 1 「21世紀の図書館の役割」意見の整理
2 蔵書の収集と管理
3 登録者と貸出冊数の地域分布
4 アンケート調査結果 -中間報告-
5 今後の委員会の進め方について
7 公開・非公開の別 公開
8 傍聴人の人数 0人
9 会議資料名 1 第2回委員会議事録(案)
2 21世紀の図書館の役割
3 政令指定都市図書館の現況
4 市立図書館年度別除籍図書冊数の内訳
5 図書館に関する市民アンケート調査結果 -中間報告-
6 今後の委員会の進め方について(案)
(追加資料) 広島市図書館の蔵書構成
(委員長) 第3回検討委員会をはじめる。本日の会議資料について事務局から説明をお願いしたい。
(事務局から配布資料の説明を行う。)
(委員長) 議事録については、今月末までに修正等があれば、事務局へお願いしたい。前回の意見をもとに広島市の図書館の役割について事務局といっしょにまとめたものが「21世紀の図書館の役割 -広島市の図書館がめざすもの-」になるが、これについて事務局の方で説明をお願いしたい。
(事務局から資料「21世紀の図書館の役割 -広島市の図書館がめざすもの-」について説明を行う。)
(委員長) こういうキーワードの形で提言を整理していくというのは、この種の提言、報告書でよくあるパターンで、一応4点に役割を整理するというようなまとめ方になっている。内容的には前回の議事録があるが、議事録とは別にこれが前回の整理というように読める。最後にまとめる提言、報告書の中ではこのキーワードの下に役割を文章化し、それを実現するためのコレクションとサービスの在り方というようなことを書くことになると思う。まず、このまとめ方についてご意見をいただきたい。
(委員) 基本的には異論がある訳ではないが、今、公共図書館の大きな問題として図書の大量紛失というのがある。後で事務局から資料を出して説明があると思うが、非常に大量の本が紛失している。これは、市民意識とも関わる問題であり、むしろ柱の一つにしていただき「整える」というキーワードを設けてほしい。この「整える」という機能をどうするかということは、今の市民のニーズに応える図書の揃え方にも関わってくる問題で、根幹の問題である。また、「開く」だとか、「提供」していき、人との「出会い」をつくり「つないで」いき、地域のいろいろな市民活動をする大本の問題として「整える」機能、もっと言うと「守る」というか、要約すると「管理」、共有財産の「管理」といういかめしいことになるが、「整える」という紛失やき損・破損を防止していくシステムの構築、管理機能を強めていくしくみの整理、(図書館)の開放のあり方そういうことを考えていくのが大きな柱の一つになると思うので、ぜひ加えていただきたい。「整える」、整えてはじめて「開いたり」充分「提供」したり「つないだり」できる訳だから、その大本の問題を「開く」の中の一項目の位置付けでは弱いのではないかと思う。ぜひそれをキーワードの一つに加えていただきたいということと、それから言葉の問題だが、一番最後の「支える」というのは、いっしょに市民活動をいろいろな面から「支える」機能ももちろんあるが、もっと育てていくということでむしろ「育む」という言葉の方がいいのではないかと思っている。
(委員長) 今、2点ほど話があったが、このことについて意見があればお願いしたい。
(委員) もっともな話ではあるが、「21世紀の図書館の役割」という大きなタイトルから考えると、管理という部門をあまり大きな柱にしてしまうというのは疑問に思うがいかがか。やはり、それは市民のモラルだと思う。もちろん(本が)なくならないように例えば監視カメラの設置等は必要だと思うが、管理というのを柱にしてしまうというのは、この21世紀の広島市の図書館の役割や在り方、めざすものというタイトルにはあわないと思うが。
(委員) それは、むしろ古い考え方だと思う。公共図書館の在り方の中では非常に大きな問題だと思う。単に管理ではなくて、もちろん市民のモラルをいかに高めていくかという機能は必要だと思う。それをうたわなかったら21世紀をめざす公共図書館の在り方、要素にはならないと思う。ただ、モラルを呼びかける だけでは、責任が果たせない部分があり、一定の責任を持って、市民に応えるための蔵書を大切に保管していく機能を整えるということは、一番必要なことだと思う。これは全国の公共図書館の在り方、今、開架と裏返しの問題として21世紀の大きな問題だと思っている。言葉はともかくとして、今の紛失の実態をご覧になれば、ゆゆしき問題だというのはおわかりになると思うが、それをどうするかというのは、ただオープン型だから管理を強調すると反するのではないかというのは、少し違うのではないかと思う。
(委員長) では、ふたつに意見が分かれているので、方針として「整える」をこのキーワードの一つに含めるか、あるいは「開く」の中の一部に入れるかという選択だということで、今日のこの後の議題の時にこの議論もふまえた上で、次回あるいは最終的にまとめる時にと何回も議論したいと思う。
(委員) 学校図書館の経営と比べると「培う」面や「育む」面というのがない。公共図書館にはそういう役目というのがいらないのかと思ったが、今言われたように管理という責め方ではなくて、利用を育む、モラルもそれから活用の仕方も、利用指導も含めた育てるという面がやはり公共図書館でも必要だと思った。生涯学習者を育てるという意味での項目がやはり学校図書館でなくてもいると思う。あまり管理を強調するとやはりむずかしいところがあると思うが、活用の仕方であるとか、モラルであるとか、生涯学習に通じる学習の仕方であるとか、本を愛するであるとか、そういうような育てる場面がやはり公共図書館にも必要だと思った。
(委員長) そうすると、「支える」のところは「育む」の方がいいのではという意見で、キーワードとしてまとめる時に「育む」ということをもっと前面に出せばいいというお考えだと思う。モラルという話もそこに入れてはどうかということだが。
(委員) そう思う。モラルの話もこちらへ入れたらいいと思う。
(委員) そういう考え方もあるが、支えたりつないだりしていくのに、大本としてやはり本が揃っていなければいけない。この「守る」方と持っているものをいかに多様なニーズに応えるような行政を守っていく機能と同時に集める機能を含めて「整える」というようなものを、別にしていただければと思う。最近ニュースで広島県教育委員会が各家庭に呼びかけて本を集めているというのがあった。紛失図書の補充できないものの対応も含めて、呼びかけを行い、大衆本から専門書まで市民の協力を得て集める方法も公共図書館の在り方の一つだと思う。そういった面も含めて「整える」ということである。管理というイメージではなく、活用してもらうためにいかに蔵書を大切に保管し、集める機能と二つの機能で「整える」というキーワードの一つに加えていただきたいと思う。
(委員長) 他の方はよろしいか。
(委員) 今ここに並んでいるキーワードだけ見ると、公民館と別段違わない。つまり、公民館が、集う、結ぶというようなことを出すが、結局、図書館たる所以というのは、先程来出ている資料である。一館で充足できないとすれば、結ぶというか、ネットワークで調達してくるということである。やはり、資料の問題を核に据えながら図書館サービスの在り方というものを構想していくことが必要ではないか。「整える」というか「集める」というか、どういう言葉がいいかわからない。また、管理の問題は運用の次元のことであり、これは図書館のめざすものという理念のところであるから、理念に管理の問題を盛り込むかどうかというのはいささか問題があるのではないか。しかも、運用の時に防犯用のゲートを設ければ、チェックでき、そこがないために紛失するということならば、金をかけてゲートを設ければ、簡便でしかも有効な方法ではないかと思う。もう一つ全体に関して言えば、このキーワードはわかるが、このキーワードで分けてしまうと逆に見えにくくなる。例えば「開く」という言葉は、重要なキーワードだが、「開く」といってもいろいろな側面がある。より多くの市民にというアクセスビリティという問題もあるし、パブリックリレーションというか広報活動や施設の問題、ニーズに応えるような潤沢な資料が整っているということもある。つまり、いろいろな側面があるので、このキーワードの中に無理やり入れてしまうと、逆にその「開く」という機能をその目標を達成するための諸側面というものが絡み合って図書館のシステムが出来上がっており、それが問題や課題を見えにくくする。だからどういう図書館かというと、目指すべきは「開く」であり、「出会う」であり、「つなぐ」でありというこういったものは、並置してこんな図書館をという時はいいが、ではそれを実現するためには、蔵書や人あるいは、建物等のハードの問題はどうなのかとか、様々な課題というものの次に出てくるのでこの分の下に入れ込んでいくというのは、たぶん具体的に提言を求めるのだろうと思うが、図書館を論じているものはおよそ似たり寄ったりのことになる。多少ストックに重視するか、あるいは今までにフローに流れすぎではないかという図書館への批判的な見解があるにしても図書館の機能を十全にというとほとんど似たり寄ったりの言葉になる。そういう似たり寄ったりの言葉で、市の図書館がどういう課題に直面するのかというのが見えにくくなれば、また例のごとく様々な答申や提言をまとめて雲散霧消してしまいはしないかと危惧する。もう少し何が問題か、何が課題か、具体的にはどうするかという方向へと思考を展開していくようなそういうまとめ方がいいのではないかと思う。
(委員長) 何か提言はあるか。これは、提言の入口の話である。広島市の図書館はこんなところに重点を置いたような方向でいけばいいのではないか、ついてはそういう方向の図書館作りを目指す時に、今課題となっていることはこういうことである、という話が出てくる。事務局で最初に考えたことがその話である。つまり、提言の第1ページ目にくる言葉がほしいということである。
(委員) そういった図書館をイメージされるものをどう実現するかというと建物は、ということになると思うが。
(委員長) それをコレクションごと等に整理していくのが、今日からの議論である。
(委員) こういう書式で報告書がまとまる訳ではないということか。
(委員長) ない。これは報告書の1ページ目のところにくるものを前回の議論をもとに整理したものである。それはそれでいいか。
(委員) まとめるのであれば、ここでの論議を整理し、キーワードのもとに蔵書とか資料に関しては何が問題か、建物に関しては何で、利用者に対しては、広報に関しては、サービス・職員に関してはと出していただいた方がもっと問題が集約的に見えるのではないかと思う。
(委員長) キーワードごとに考えた時に、例えば「開く」とっても何でも集めればいいという問題ではない。では、どういった本を集めればいいのか、一方で広く利用してもらうために図書館のあり方を「開く」というところで考えた時に、そのコレクションについては何を考えるべきか。その次の「つなぐ」というところで考えると、予算の配分が限られている中でどういうところに重点を置いてコレクションを考えていけばいいのか。今日はキーワードを手がかりにしてコレクションを考えてみようと思うが、よいか。これはまだ最終ではない。それからもう一つ言うと、ここに(1)から(7)と書いてあるのは前回の発言をただ抽出しているだけであり、これが盛り込まれるわけではない。これではかえってあいまいになると非常に強く思っている。「開く」というのは、多義的でこれだけ見ると結局何をしようとしているかというのは見えにくくなると思う。だから、「開く」ということで役割としては、こういうことであると書いていく必要がある。
(委員) 私は、「守る」「集める」というのを「整える」と言ったが、そうすると「整える」機能がまずあって、整えたものをいかに開いていくか、いかに外とつないでいくか。人との出会いをいかに作っていくか。そして出会うだけではなく、それを育み培っていくかというような展開をすればいいと思う。そのためには、具体的な課題があり、それぞれつめていくというのがいいと思う。
(委員長) 出だしのところは最初にみんなが読むページであるから、充分議論し、しっかりしたものを作りたいと思うので、また後で議論することとしたい。それでは、今日は蔵書の収集と管理ということでコレクションについての議論を中心に行いたい。先程申し上げたが、最初に集める資料について「開く」というところで広く浅く資料を集めていく必要がある。その時に市民のニーズに対応したコレクションのあり方、どういう資料を集めていけばいいのかということで、前回の議論では、直接寄せられるニーズにだけ対応するコレクションのあり方はどうかというような意見があったと思う。それぞれの分野についてかなりはっきりした目的をもった資料収集ということをしていいのではないかという意見が一つあった。それからもう一つは資料を管理するという話が出ていた。では、広く浅くというような「開く」というところに重点を置いて考えた時に、どんな本を集めればいいか、ご意見はいかがか。利用されている立場からどうか。
(委員) 私は月に10冊くらい図書館で本を借りて読んでいるが、賞をとった作家の本が好きで図書館へ行く。人気のある本はほとんどなく、いつも同じ本が図書館に並んでいるので、いつも予約をして借りるようにしている。借りる側の立場としてはやはり読みたい本が図書館に置いてないと足を運ばなくなるし、わざわざ図書館に行っても自分が読みたい本がどの本であるとか、情報が図書館自体にない。インターネットで検索できるようになれば、市民も図書館に行くと思うが、一方で市民が読みたい本のレベルばかりだと図書館自体の役割もあるので、そのあたりは悩んでいる。
(委員長) 使う立場にたった非常に強力な意見であると思う。今、どちらの図書館を使 っているのか。
(委員) 西区の図書館をよく使っている。
(委員長) そこには、やはり読みたい本がないか。
(委員) ないので、借りる時は前もって予約をし、順番がきたら電話やファクシミリで連絡をもらい、取りに行くような形になる。ほとんどゆっくり閲覧することもなく、借りた本を返すことと予約した本だけを借りて帰っている状態である。最近は広島駅前の百貨店に自由に席に座って本を読める本屋ができているが、そういうところと比べて図書館の意義や重要性というものの違いが少しずつ難しくなってきているのではないかと思う。
(委員長) あまり違いがないのではないかと思う。
(委員) 図書館には今駐車場が全然ないが、駐車場の料金を払って図書館に行くようでは小さい子どもがいる人は買った方が早くなり、どんどん図書館に行かなくなる。書店の販売員はどの本が今売れているとか相談すると教えてくれるが、今の市の図書館では司書の人数が制限されていて、市民と係る時間が取れないのではないかと思う。もっと司書の仕事を軽減して、借りに来た人にこんな本を読んでみてはどうかと提案できるような司書の育成も必要ではないかと思う。
(委員長) むしろ、本についての相談等があまりできない、本を単に予約して借りるだけということになってきているということか。
(委員) 図書館の魅力というものが何であるかと思っている状況である。友人に開業医がいるが、医学の専門書を予約してみたら、やはり断られたということであった。どこまでの本を入れてもらえて、どこからがダメであるとかそういう基準も市民にはわからない。どんな本が図書館にあるかということ自体、市民は わかっていない状態である。原書等も広島市にはほとんどない。少し話は変わるが、日本語が母国語でない人にとって図書館の役割というものが今どうなっているのかということに興味をもっている。イギリスの方と話をしても、広島市には国際会議場に少しあるだけで、ほとんど利用できない。そういう方は税金は払っているのに、そういう提供を受けていないことも少し問題があるのではないかと思う。
(委員長) 専門書等は必ずしも図書館になくても取り寄せるという方法があるが、それはしてもらえなかったのか。
(委員) そういうシステムができればいいと思うが。
(事務局) リクエスト全てに応じている訳ではない。どうしても読みたい本がある方には大学図書館等から借りて提供している。
(委員) 議事の進め方であるが、今どんな本を集めるかという議論になっているが、せっかく本日資料を出していただいているので、市民のニーズがどんなところにあるかということについて、例えば、どんな本がたくさん紛失しているか、あるいは市民アンケートの中で図書館への要望で図書館に揃えてほしい本は新刊書がトップで出ているが、こういう説明を聞いた上で議論をした方がいいのではないか。
(委員) その前にここの図書館がどんな収集方針で臨んできたのか、概略を教えていただきたい。つまり、予算規模、年間何万冊か入れるのであれば、その内訳や予算配分がどの割合であるとか、そのあたりの事情が我々にはぜんぜんわからない。
(委員) 次に行く前に、広く浅くとか、狭く厚くというのは、マイナスイメージが強いと思うが。
(委員長) 言葉としては最終的に残るかどうかはわからないが、そういう意見はどしどし出していただきたい。では、蔵書の収集方針や今の蔵書構成の特色等を事務局の方から説明いただきたい。
(事務局) 14年度の図書購入費は、1億548万円ある。そのうち、こども図書館が984万円、まんが図書館431万円、中央図書館5518万円、区図書館が8館で3649万円、1館当り460万円くらいである。中央図書館の中には公民館の新設分4000冊分が含まれているので、それを除くと4300万円くらいである。それで、私が作った資料(「広島市図書館の蔵書構成」)を今お配りしたが、区の図書館、中央図書館を含めて大雑把な蔵書構成を作ったので、ご覧いただきたい。
資料「広島市図書館の蔵書構成」、第1回会議資料「広島市の現状説明資料4 平成14年度統計資料」6ページによって説明。
(委員) ジャンル毎にどういう目安でどういう分野を収集してきたのかをお聞きしたい。
(事務局) 以前は、部屋別に目安を設けて購入していた。現在は出版の形態、いわゆる最近の出版の傾向として実用書が非常に増えており、学術書である程度一般教養的な大学の教養課程程度の本の出版が少なくなってきている。ウエイトとしてどの分野にどういう重点を置いて集めているというのは、申し上げにくいが、一般書の1番「(1)教養・レクリエーション」のウエイトの方が比較的冊数としては多くなっているだろうと推測している。
(委員) そうすると、結局出版界の動向に引きずられているということか、もっと言うとポリシーという明解なものがある訳ではないと理解していいのか。
(事務局) そうである。それは、今後の課題と思っており、中央図書館で言うと予算を部屋別あるいは、今年はこの分野に重点的に配分してある程度組織化を計る等、課題として取り組まなければならないと考えている。
(委員長) 分館毎に予算を配分していると思うが、今の説明を聞いていると全部適当にその時の出版状況でやっているような印象を持つが、違うのではないか。まず、分館と中央図書館は別であると思うが、そこははっきり理解していただかないといけない。分館は分館で予算がある程度決まっていて、その範囲の中で選んでいると思うが。
(事務局) 先程、申し上げたことは中央図書館のことであり、選書については今ある蔵書の構成を見ながら行っている。分館は分館で予算が決まっており、約460万円である。
(委員長) 各分館で独自に本を選んでいると理解していいのか。それから、中央図書館の方は先程の説明で4300万円くらいの予算があるようだが、どういうふうに配分されているのか。
(事務局) 分館については、それぞれの館で利用状況を見て要求に応えながら選ぶという形である。中央図書館の4300万円は、館内用の予算である。そのうち備品費、いわゆる1万円以上の本が約900万円ある。基本的には貸し出しできない本になるが、参考閲覧室用の辞典類や大学教養程度のものである。その他3470万円あまりが1万円未満の本で貸出用の教養、レクリエーションに資するような本ということになるが、その中の内訳はわからない。
(委員長) 特に、分野毎に予算額をわけていることはないか。
(事務局) ない。課題とは思っている。
(委員長) では、各分館での本の選び方についても説明願いたい。先程の説明では一般向けの本という説明だったが、少し具体的にどのように選んでいるのか説明をお願いする。
(事務局) 分館においての予算はだいたい460万円で、冊数にすると3800冊程度になる。年間の出版点数が今6万5千冊と言われており、この中で3800冊というとほとんど本は買えていないという状況は理解していただけると思う。実際に文芸書が入りにくいのが、日本の流通の形態になっており、その確保のために図書館流通センターのベル便というものを活用している。それ以外については職員の方で各館にあった本を選択、購入している。この3800冊程度の中身は児童書・一般書合わせてである。
(委員長) ベル便は、出版案内の中から図書館が選んでいるのか。
(事務局) そうである。市民のリクエスト等も加味しながら、「週刊新刊案内」、出版情報を見ながら職員が選択している。
(委員長) というのが、今の購入の仕方である。
(委員) 分館のところで少しお聞きしたいが、昨今問題になっているが、ベストセラーにどこまで応えるべきかという問題があるが、要求全てに応える、いやある程度はというのか、それはもう勘案すべきではないと考えているのか、分館の場合はいずれの方針で臨んでいるのか。
(事務局) 分館の場合、基本的には購入は1冊である。それ以外には寄贈図書で冊数が増えている。広島市の場合、12館がオンラインで結ばれているので、一般書の場合は中央図書館、児童書はこども図書館にお願いし、それぞれで調整しているのが実情である。
(委員長) 3800冊の中でベストセラーを何十冊も買っていたら、他の本が揃えられないと思うが、この前そのことについては、説明があったと思うがもう一度説明をお願いしたい。
(事務局) 中央図書館では、30冊、各館と合わせて市の図書館全部で38冊までである。先程分館の説明のところであったように、市民へ寄贈を呼びかけてプラスアルファで所蔵する状況である。
(委員長) 図書館の予算で買うのは、分館のものも含めて38冊が限度ということであるが、いかがか。ベストセラーについての方針、全体には大きく教養、レクリェーションと調査・研究に分けている訳だが、ただし、考え方として実際に予算配分のような形では出ていない。
(委員) 区の図書館について、今聞いた中で印象に残ったのは、読むための本の購入に力を入れているということである。それしか力が入れられない予算状況だというのは理解できるが、いわゆる調べるための例えば、百科事典といったようなものが区の図書館にはないような気がする。何年か前に東区の図書館に広辞苑が何冊か置いてあり、禁帯出のマークが貼ってあるものもあれば貼ってないものもあった。禁帯出を取って貸出してくれていいなと思ったが、やたら版が古かった。そういった調べるための本の購入は区の図書館のレベルでは今後も全く考えないのか。
(事務局) 実情は新しく開館した時にある程度のレファレンス・ブックといわれるものは買う。ただそれ以後は購入していない。東区は開館して20年近くになるのでそういうことになるが、おと年オープンした安芸区図書館は、最近の参考図書もある程度揃っている。それともう一つ広島市の会計上の問題があり、1万円以上のものは備品という扱いで、1万円未満のものは消耗品という扱いになるが、備品扱いのものは貸出しない。予算の中には区図書館については1万円以上のものはなく、1万円未満のものしか予算が配分されない。オープンの時だけ配分されるということで、それがいいのかどうかという問題がある。いわゆる基本的な百科辞典の1セット、国語辞典の主だったもの、語学辞典類、統計の主だったもの等、すぐ誰でも使うような資料は区図書館にも必要だと思っており、実態をご覧になればわかるが、一応日常的に必要な教養・レクリェーションを中心に考えているので、レファレンス・ブックの補充は最小限にしているのが現状である。これからも窓口として最小限の役割を果たすことは必要だが、そこに重点を置くということは難しく、今の規模から言えば、それは中央図書館で受けることになる。
(委員長) いくつかの区の図書館を見たが、あのレベルでもう少し専門書をと言うのはないなあというのが一番の印象である。もし、専門書を置いてちゃんとサービスをするのなら、4000平方メートルから5000平方メートルという規模でなければダメである。今は1000平方メートルもないと思うが、あの規模で専門書を揃えたら人が来なくなってしまうだけである。区の図書館が今の規模である限りはもっと一般向けの本を充実させるという方向しかないと思う。むしろ、中央館のほうで調査・研究用の本が活用されているのかということである。やはり一番お金をかけているわけで、区図書館には460万円くらいのお金で、1000万円もない。しかし、各区に中央館の予算を分けても数十万円出せるだけであろうから、だから中央館のあり方が大切である。
(委員) 私もそう思う。8つの区の図書館は、市民が身近なものとして憩いの場であるとか他にもいろいろ出ているが、そういう場所として利用してもらうために各区に1館ずつできた経緯がある。おのずと区の図書館と中央館の果たす役割があると思う。やはり、中央館においては学術的ないわゆる専門書を毎年ある程度収集するという本の収集のあり方が一つあって、その他いわゆる一般書というのがあると思う。その役割分担も考え、少ない予算の中で効率的に、また、それぞれの特徴を出すのは難しいかもしれないが、区の図書館もここに行けば何か科学物があるとか、特徴のようなものを作っていくことが必要ではないかと思う。
(委員) 各館の経営方針等が選書の基準にかかわってくると思う。だから、それぞれの館の果たす役割をしっかりつかみ、どういう経営方針で、どういう選書をし蔵書構成をするのか、そしてその基準をそれぞれの役割にあわせてレベルアップしていくべきで、蔵書・選書によってその図書館の価値が決まっていきはしないかと思う。利用者のニーズに応えられるような特色ある図書館をつくるには、どうデザインするかだと思う。
(委員長) やはり専門的な知識への入口という公共図書館の大事な役割があると思う。アンケートの結果や大阪市立中央図書館を視察した上で、提言等は出していきたい。では、ここで図書の管理の話をしてみたいと思う。事務局の方から資料の説明をお願いしたい。
(蔵書について、資料「政令指定都市図書館の現況」「分類別の統計(第1回委員会提出統計資料4)」「市立図書館年度別除籍図書冊数の内訳」に沿って説明。)
(委員長) 2点ほどいいか。この不明本の割合は利用に対応していると言っていいのか。わからなければ結構だが、もう1点は、先程ベストセラーの話が出たが、市民から本を寄贈してもらうことはやっているのか。
(事務局) 特にベストセラーについては、図書館の方から市民に積極的に働きかけて寄贈をお願いしている。
(委員長) というようなことだが、いかがか。
(委員) 今、不明本の状況について説明があったが、失ったために再購入、補充が不可能な本はどれくらいあるか。あるいは、除籍や不明がどのくらいあるか、教えていただきたい。これからの図書館の在り方を考える上で一つのポイントだと思うので、この3年間で失われた本でどれぐらいが補充されていないかがわかれば、後日で結構なので教えていただきたい。
(事務局) 補充が不可能なものについては、広島市の図書館だけでなく他の図書館から本を借りて提供する相互貸借という制度があるので、それで対応している。
(委員) 対応策はともかくとして、失われた中で再購入できていないものが、どれくらいあるかという実態がわかれば教えていただきたい。
(事務局) すべて、再購入している訳ではない。例えば、予約が再度出た場合に注文をし、その本が品切・絶版ということで出版社から返ってくる。その数字であれば出せると思うので、次回に出したい。
(委員) そうすると、不明になると除籍してしまい、ニーズはともかく再リクエストがなければ、その本は所蔵しなくなるということか。
(事務局) そうである。
(休憩)
(委員長) 後半は、議事に沿って市民アンケートの調査結果が出ているので、その結果を伺い、その都度、意見や質問を出していきたい。その前に、現在の図書館の利用状況について事務局から説明がある。
(平成13年度利用状況として「登録率」「貸出冊数」を示した図面をプロジェクターにより説明。)
(委員長) では、今の説明を念頭に置きながら、アンケートの結果を聞いていきたいと思う。かなり大部であるので、途中で切りながら、質問や意見を伺うこととしたい。また、この報告は、中間報告ということなので、もう少しこの辺を分析してほしいとか、こういうクロス集計をしてほしい等ということも是非ご意見いただきたい。
(アンケートについて「調査の概要」「読書の形態」を調査結果報告−中間報告−に沿って説明。)
(委員長) アンケートと市全体の年齢、性別構成と比べてみてどうか。
(事務局) 年少人口と高齢者人口は、ほぼ同じくらいで広島市の人口の15%ずつくらいである。アンケートは20歳以上の市民3,000人にお願いしているため、回収したものは人口に比べて60歳以上の方の割合が多くなっている。性別は人口比では女性が51%であるが、回答は女性が57%である。
(委員長) 図書館の利用者と非利用者とで分けて、読書量や購入金額等で分析できればお願いしたい。
(「公立図書館の利用概要」について説明。)
(委員長) ここまでのところで質問・意見はないか。
(委員) 一つは公立図書館がない地域で民間図書館のようなものがどれくらいあるかお聞きしたい。もう一つは、交通手段とのかかわりで、各区には、駐輪場・駐車場はあるのか、お聞きしたい。
(事務局) 後の方の質問についてお答えする。区の図書館には、駐輪場・駐車場はほとんどある。中央図書館・こども図書館には駐車場はない。
(事務局) 最初の質問であるが、いわゆる民間の図書館はないが、中学校区単位に公民館の図書室がある。特に、安佐北区は、他の区に比べて広いので多い。
(委員長) 子どもの文庫活動のようなものはどうか。
(委員) 今は、子どもの数が減ったこと、世話をする人がいなくなってきたため、一時よりは少なくなった。それと、「ともはと号(自動車図書館活動)」の巡回が減ったことや「こばと号(配本車活動)」がなくなったことも影響している。
(委員長) 前は「こばと号」で文庫へ本を運んだりしたのか。今はしていないのか。
(事務局) 今は文庫への配本はしていない。
(委員長) すると、今は配本所ということで公民館図書室や集会所へ本を持っていくのか。
(委員) こども図書館が新しくなった時に、それまで館外活動として出していた「こばと号」が中央図書館へ移ったと思う。
(事務局) 今言われたように、館外活動の一本化ということで、昭和55年度に児童図書館の「こばと号」の活動は中央図書館に移管されて、館外奉仕課というものができた。55年から57年まで「こばと号」は館外奉仕課の中で運行していたが、そのあと57年の途中から「こばと号」としての運行をやめて、「ともはと号」のサービスポイントで団体貸出を行っていたが、それも徐々に利用が減っていった。
(事務局) ともはと号」は広島市内18ヵ所に巡回している。安芸区1ヵ所、安佐北区6ヵ所、安佐南区4ヵ所、西区1ヵ所、南区3ヵ所、東区1ヵ所、中区2ヵ所、計18ヵ所に「ともはと号」が毎月1回出向いて行って直接サービスをしている。
(委員長) 集会所というのもイメージがつかみにくいが、活動している団体へ配本するというよりは、むしろ、本が置いてある場所があって、そこへ本を届けているという感じか。
(事務局) 地域文庫という広島市が設けた学区集会所があり、そこに蔵書約1000冊の文庫を置いている。図書館の方から毎月1回配本するという形で本の入れ替えを行っている。市内に32ヶ所ある。
(委員) お年寄りが図書館まで本を借りに行くのが難しく、昭和55年頃には神崎小学校の校庭に来ていた「ともはと号」で本を借りていたが、それができないのかと言われ、直接、中央図書館へ伺ったことがある。やはりお年寄りの楽しみと言えばテレビだけではなく、本に親しむという楽しみも生涯学習の一環と言えるのではないか。データを見れば、使っていないという60歳以上の方がいるが、費用や健康の問題もあるので、他県でやっているような物流でのサービスがあればいいのではないかと思う。それとアンケートにも出ていたが、子育て中のおかあさんたちの利用というのも赤ちゃんを連れて図書館への利用というのはなかなかむずかしいということもお耳に入れておきたい。
(委員長) アンケートの中の年齢別の読書率を見ると、やはり高齢の方の利用は少ないという印象である。少し古いが総理府の1989年頃の調査でも高齢の方の読書率というのは落ちるが、これで見る限りでは、かなりの方が本を読んでおり、それが図書館の利用に結びついていないようである。
(委員) 図書館での60歳以上の利用率が低いが、先程の集会所や公民館、「ともはと号」での60歳以上のお年寄りの利用率はわかるか。
(事務局) 年齢別には出していない。
(委員) 「ともはと号」での利用は、お年寄りが多いのか、ご婦人が多いのか。
(事務局) 小学校へ行けば、子どもとその親の世代である30代、40代の方が多いが、お年寄りの方も来られる。公園などに行くと、お年寄りの方が多い。
(委員) かなり本を読んでいる高年齢層は多いが、図書館で借りて読んだりするのが少ないという傾向はいくら地域へ図書館側が足を運んでもそうなのか、あるいは、それが足りないのか。あるいは、買って読む傾向が強いのか。
(委員長) 後で利用しない理由として年齢別の集計もあるので、そこで議論していけばいいと思うが。他にないか。今日はデータはないが、36ページで気になるのが、再潜在化層という言い方もあるようだが、一度利用した人が使わなくなるという率が、かなり多いような印象である。4割の方が一度図書館を使ったが、最近は使っていないということである。
(「公立図書館を利用していない理由」を説明。)
(委員長) 安佐北区については、本当にストレートに結果が出ているような気がする。高齢の方には遠すぎてこれでは行かないかなという気がする。
(委員) 本を読まない、図書館を利用する必要がない、テレビ・コンピュータ・携帯電話があって本を見ることもない、新聞も読まないという方も何割かあるようだが、この年齢層はどこか。「13 本を読まないので図書館を利用する必要がない」「14 コンピュータや携帯電話で間に合っている」という人が増えれば、結局ここで話し合っていることが、意味がなくなるような気がする。
(「公立図書館への要望」について説明。)
(委員長) わりと新刊書や気軽に読めるものというのが要望の中心のようだが、一方で専門書についての要望もある。カセットテープ・ビデオ・CD・DVDについては図書館の方ではどのようにしているのか。
(事務局) 今は広島市の図書館の場合は、その対応はしていない。
(委員長) していないのか。これをどうするかという議論になる。他に何かよろしいか。
(望ましい図書館のイメージ」、「新たな図書館サービスについて」、「インターネットやEメールについて」を説明。)
(委員長) では、最後の部分、あるいは全体でも何かあれば、お願いしたい。このアンケートの報告書の最終版はいつ頃になるか。できれば、製本されたものでなくてもかまわないので、次回の会議前に各委員にはお送りいただきたい。それでは、今後のすすめ方について事務局の方から説明願いたい。
(事務局) 「今後のすすめ方について(案)」をご覧いただきたい。次回、7月30日(火)を会議として予定していたが、大阪市立中央図書館の視察に急遽変更させていただきたい。大阪市立中央図書館は延床面積約35,000平方メートルのかなり大きな図書館であり、コンセプトが「誰でもどこかに自分の居場所がある図書館」ということである。今までの当委員会での議論の中に出ていたゆとりの場といったようなものを考える上で、また、今後具体的なサービス等を議論していただく上でも、イメージを持っていただけるのではないかと思うので、このように計画させていただいた。次の検討委員会については、8月22日か23日に「図書館サービスについて」、その次の第5回を9月12日に開催し、「図書館網」や骨子(案)を協議していただきたいと思っており、このスケジュールについてご了解いただきたい。
(委員長) 7月30日に大阪市立中央図書館を視察するということについてはよろしいか。
(委員) (異議なし)
(委員長) では、次回は8月23日に、その次を9月12日ということにしたい。視察が1回入るので、集中した議論がこれからは必要になるが、一つは、事務局の方でたたき台を作っていただくが、8月の委員会までに他に用意していただきたい材料があれば、この場でお願いしたい。
(委員) 政令指定都市図書館の現況を見て、図書館の蔵書の量と質の考え方についてどう考えればいいのかよくわからない。例えば、札幌市の蔵書は約203万冊、仙台市は約146万冊、それを市民一人あたりという形で切っていくのも一つの方法だが、一人の市民にとってどれだけの本にふれることができるかというと、仙台市の市民は146万冊、札幌市の方は、203万冊の本にふれることが保障されいて、札幌市の方がいいということになる。多ければ多いに越したことはなく、蔵書数にしても予算にしても数字のマジックでどうにでも判断できる。大学図書館をつくる場合には、これこれの学部にはこれだけの専門書が最低必要であるというようものがある。つまり、出版される量に対してどの程度入れていけばいいのか、そういう係数や論理というものがない限り、今の広島市の図書館の蔵書をどう判断していけばいいのかわからない。しかも、予算はどんどん目減りしている中で、どうあるべきかという論理をどのように出していくのか、いろいろな考え方があると思うが、図書館の専門的な知見を示していただくというのは、考える材料として重要なことだろうと思うのでぜひともお願いしたい。
(委員長) 分野別ではない蔵書の在り方に関する考えだが、どうか。
(事務局) 公共図書館の場合、おっしゃるように大学図書館のような設置基準のようなものがない。だからこそ厳しいが、我々がここで仕事をしている上でそれなりの考え方を準備したいと思う。
(委員長) そのあたりは横浜市や、市区町村立に対する支援と参考調査が柱になるが東京都の例を、例えば参考調査機能を十分に実施しようとした時にどのくらいを目標にしているかというようなことについては、お話できる。もし、まだ館全体でのものがないようであれば、館長個人の考えでも結構であるので、出していただきたい。
(委員) 次回にアンケート調査結果をまとめて出されるということだが、この調査結果からどういうことが読み取れるのかということを書いていただきたい。例えば、お年寄りがあまり図書館に期待していないのではないかというのがいくつか出ていたのではないかと思う。近くに図書館がないということに対して不満も少ないし、宅配便を望んでいるかというところも非常に少ない。本を届けないといけないのではないかと考えていたが、そういうニーズが非常に少ないとすれば、また在り方を考えていく上で年齢の問題も意識して考える必要がある。私見だが、この結果をどう分析してどういったことが望まれているかといったところまで図書館側の考えを資料としてつけてもらえば、議論する上で参考になると思うのでお願いしたい。
(委員長) そのあたりもお願いする。
(事務局) どう読み取るかということは、図書館としても必要であるので、資料として提出したい。
(委員長) それから論点もこういう点が課題である等と論じていきたいと思うので、それも整理するということでよいだろうか。
(委員) もう一つサービス面を考えると、職員数116名ということでは本当に限界があると思う。そこで、それぞれの図書館でのボランティアの活用の実態を教えていただきたい。例えば、こども図書館での読み聞かせの団体であるとか、施設の環境作りにどのように携わってもらっているのか、あるいは、今後どのような方向で市民感覚を図書館に取り入れていこうとしているのか、そのあたりもお聞かせいただいたらと思う。
(委員長) ボランティアの活用の実態をお願いしたい。
(委員) 本や雑誌の購入について、図書館で借りるよりも書店やコンビニで買うという人が結構多い。図書館の在り方や整備ということに係ってくるだろうと思うが、もし、買わなくても借りるという人が増えてくれば、そういう人たちは図書館を利用する層になってくると思うが、どれくらいあるかこの数字ではよくわからない。
(委員) どういう図書館像を描くかにも係るが、書店やコンビニで買える本を公共図書館がサービスの対象に大きく視野にいれるかどうかだが。
(委員長) そのあたりは、今度議論すればいいと思う。事前にベストセラーというのはわからないものである。広島市立図書館は、ベストセラーについては抑制している方だ思う。もう一つお考えいただきたいのは、中央館と分館のあり方である。分館にどういうものを置くかという話になってくるが、それぞれの役割分 担についても是非お考えいただきたい。事務局の方にはかなり宿題が出たが、できれば、次回の会議の1週間くらい前までには資料を送っていただきたい。アンケート調査結果等、はっきり出るものはなるべく早い段階でお願いしたい。
(委員) 図書館の利用者調査も実施したと思うが。
(事務局) それもできるだけ早く準備したい。
(委員長) 長い時間ごくろうさまでした。
(閉会)
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