カテゴリー:こども図書館
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記事分類:お知らせ公開日:2024年1月30日
こども図書館職員が中国新聞「子どもたちへ本の招待状」(2023年7月)で紹介した本を対象別にまとめました。
本選びの参考にいかがですか?
『王さまのアイスクリーム』
フランセス・ステリット 文 光吉 夏弥 訳 土方 重巳 絵 (大日本図書)
昔あるところに、暑い日のおやつには必ず冷たいクリームを召し上がる王さまがいました。ところがとても暑い日にクリームがどうしても冷たくなりません。困ったコック長が、氷で冷やしてみると冷たくておいしいクリームができあがりました。
するとこれを気に入った王さまは、もっと冷たいクリームを作るように命じます。コック長も7人の娘たちも、どうすればこれ以上冷たくなるのか頭を悩ませますが...。
まだアイスクリームをだれも食べたこともなければ見たこともなかったころ、偶然が重なっておいしいアイスクリームが誕生する物語です。
『キワさんのたまご』
宇佐美 牧子 作 藤原 ヒロコ 絵 (ポプラ社)
夏休みの初日からサトシは暇でした。弁当屋をしている両親は忙しく、親友の颯太(そうた)はサッカーに夢中で、自分だけやりたいことを見つけられずにいました。
ある日、おいしい「まぼろしのたまご」のことを知り、そのたまごを手に入れようと決心します。そのたまごを産むニワトリを飼うキワさんの手伝いをすることとなり、草取りやニワトリ小屋の掃除などに励みます。頑張りを認められ、ようやく食べさせてもらったたまごの味に感動し、サトシはある計画を思いつきます。
周りの人と心がすれ違っているように感じる少年の、ひと夏の奮闘を描いた作品です。
『打てるもんなら打ってみろ!』
中村 計 著 (講談社)
夏の高校野球本番。現在プロとして活躍する選手も、かつては高校球児でした。
ダルビッシュ有、田中将大、藤浪晋太郎、松井裕樹、安楽智大。剛速球で甲子園を沸かせた彼らにも悩みがありました。全力投球しかできずスタミナが切れてしまう選手、大事な試合で勝てないといわれた選手、チームメイトとの関係に悩んだ選手...。それぞれが課題にどう向き合ったかを描くとともに、エースの陰で2番手と言われた選手にもスポットを当てます。
誰もがエースにはなれないけれど、自分が一番になれる場所を見つけて努力することが大切だと教えてくれる一冊です。
『ABC殺人事件』
アガサ・クリスティ 柞 深町 眞理子 訳 (偕成社)
1935年6月、英国ロンドンに暮らす探偵ポアロの元に一通の手紙が届きます。差出人はABCという名前で「今月21日、アンドーヴァーに注意することだ」と記されていました。
すると、21日にアンドーヴァーの町で「アリス=アッシャー」という女性が殺害される事件が起きます。そして、現場には「ABC鉄道案内」が置いてあり...。
殺害現場と被害者の名前の頭文字がアルファベット順になる、不可解な連続殺人事件にポアロが挑みます。「ミステリーの女王」と言われるクリスティが描く、犯罪者心理から事件の真相に迫る長編ミステリーです。