カテゴリー:こども図書館
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記事分類:お知らせ公開日:2023年2月28日
こども図書館職員が中国新聞「子どもたちへ本の招待状」(2023年1月)で紹介した本をまとめました。
本選びの参考にいかがですか?
『しめかざり』
森 須磨子 文・絵(福音館書店)
今年のお正月に「しめかざり」を見かけましたか?家の門や玄関に飾られるしめかざりは、わらで作られ、作る人や飾る場所、地域ごとに違いがあります。また、付いている「かざり」にもそれぞれ意味があります。
この本では、しめかざりの由来や作り方、種類などを、分かりやすく絵で解説しています。例として、「ゴボウジメ」の作り方、縁起の良い俵や鶴など七つの形の説明、廿日市市宮島町の旅館「岩惣(いわそう)」に飾られる華やかなしめかざりを作る大工さんの話などの紹介もあります。それぞれのしめかざりに込められた大切な思いを知ることができます。
『おじいちゃんとの最後の旅』
ウルフ・スタルク 作 キティ・クローザー 絵 菱木 晃子 訳(徳間書店)
ウルフのおじいちゃんは、昔は大型船の機関長をしていたけれど、今は心臓肥大と大腿骨骨折で入院中です。汚い言葉を使って怒鳴り散らすおじいちゃんは、病院では面倒な老人扱い。息子であるパパともうまくいっていません。
でも、ウルフはそんなおじいちゃんが大好き。亡くなったおばあちゃんと暮らしていた家に戻りたいというおじいちゃんのため、一緒に病院を抜け出す計画を立てますが・・・。
この本は、著者自身の祖父との思い出を基に描いた作品であり、遺作となりました。大切な人との別れが、ユーモアを交えて温かく描かれています。
『白をつなぐ』
まはら 三桃 著(小学館)
1月に広島で開催される都道府県対抗男子駅伝。福岡県代表として招集された中学生から社会人までの個性豊かな選手たちは、大会を前に合宿をすることに・・・。ある日、合宿所に手紙が落ちているのを一人の選手が見つけます。封筒にも、便箋にも何も書かれていない真っ白な手紙。一体誰が、何の目的で?
たすきをつなぐ7人の選手や、それを支える監督、コーチなど、章ごとに変わる主人公の視点で物語は進んでいき、最後には真っ白な手紙の謎も解けます。
駅伝の裏側を知ることができ、広島が舞台なのでなじみ深い地名などが出てくるところも楽しめる一冊です。
『くろねこのロク空をとぶ』
インガ・ムーア/作・絵 なかがわ ちひろ/訳(徳間書店)
黒猫のロクは広場の周りに住む六つの家族からご飯をもらい、6皿食べてやっとおなかいっぱいになる食いしん坊な猫です。
飼い主たちと一緒に夏休みの旅行でスコットランドの田舎を訪れたロクは、ある日、探検に出かけた森の中で山猫のスコットに出会います。
スコットに魚やロブスターの捕り方を教わりますがうまくいきません。そこで、屋根登りが得意なロクは、崖の上にあるワシの卵を捕ってスコットを見返そうとします。
町での生活を楽しんでいたロクが大自然の中で冒険し、奮闘する姿をユーモアを交えて描きます。