カテゴリー:こども図書館
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記事分類:お知らせ公開日:2022年6月28日
こども図書館職員が中国新聞「子どもたちへ本の招待状」(2022年4月)で紹介した本をまとめました。
本選びの参考にいかがですか?
『ともだちができちゃった!』
セラ・アシャロン ぶん 光吉 夏弥 やく スーザン・パール え(大日本図書)
春は出会いと別れの季節です。進学や引っ越しで、4月から新しい生活を始める人もいるでしょう。知らない世界に飛び込むのは勇気がいります。でも、きっかけさえあれば案外、難しいことではないのかもしれません。
この物語の主人公ベニーも突然、新しい家に引っ越すことになります。お父さんとお母さんは、すてきなことと言いますが、友達と離れたくないベニーは、あまりうれしくありません。いよいよ引っ越しの日、憂鬱な気分で新しい家に着きますが...。
慣れない環境で不安に思う気持ちを軽くしてくれる、そんな愉快なお話です。
『絵くんとことばくん』
天野 祐吉 作 大槻 あかね 絵(福音館書店)
小学4年生の優太は、お小遣いが500円なのが不満です。お母さんに「1000円にして!」と言いたいけれど、口ではかなわないのでポスターを作って訴えようと思い付きます。
頭の中の「絵くん」と「ことばくん」が、インパクトのある絵とキャッチコピーでお母さんをその気にさせようといろいろなアイデアを出しますが...。結局どんなポスターになったのかは読んでのお楽しみ。
自分の意見を相手に伝える表現方法を、身近なテーマで楽しく学べる絵本です。お子さんと一緒に読んで、自分ならどうするか話し合うのもいいかもしれませんね。
『ムギと王さま』
ファージョン 作 石井 桃子 訳(岩波書店)
長いお話は少し苦手でも、短いお話を集めた宝石箱のようなファンタジーはいかがでしょうか? 金色に輝く麦畑を持つ父と、大国を治め、豪華なマントをまとう王のどちらが金持ちなのか。お月さまが欲しいと泣き続ける王女さまのせいで、国中に起こった大騒動。貧しく心優しい青年が助けた一匹の子犬。クリスティが見つけた、とても美しい花の名前は...。
不思議だったり、愉快だったり、妙に現実的だったりするお話を14編収録しています。読み返すたびに違う味わいが感じられ、物語の持つ深い意味にも気付かされる短編集です。