カテゴリー:こども図書館
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記事分類:お知らせ公開日:2021年11月17日
こども図書館職員が中国新聞「子どもたちへ本の招待状」(2021年10月)で紹介した本をまとめました。
本選びの参考にいかがですか?
『土の中からでてきたよ』
小川 忠博 写真と文(平凡社)
土の中からいろんな顔が出てきたよ。5千年前の大昔の人たちが暮らしていた跡、「縄文遺跡」から見つかった人形や土器、装飾品などを迫力のある写真とリズミカルな文章で紹介。うんちの化石やごみ捨て場の跡から、はるか昔の食生活が分かることもあるそうですよ。歴史が身近に感じられ、子どもも大人も楽しめる本です。
『みしのたくかにと』
松岡 享子 作 大社 玲子 絵(こぐま社)
ふとっちょおばさんが見つけた黒い小さな種。何の種か分からないまま、庭にその種をまきました。そして「あさがおかもしれない、すいかかもしれない、とにかくたのしみ」と書いた札を立てました。それを通りがかったその国の王子様が見つけて......。最後まで読むと、この不思議なタイトルの意味が分かります。
『さよ』
森川 成美 作 槇 えびし 画(くもん出版)
平維盛の娘さよは、壇の浦の戦いで乳母と共に入水したが、奇跡的に生き延びます。3年後、素性を隠して奥州で暮らしていたさよは、ひょんなことから、平泉に身を寄せていた源義経から息子の遊び相手を命じられます。一族を滅ぼした義経への復讐を誓い、武術の腕を磨いてきたさよでしたが、義経一家と関わるうち、迷いが生じてきて......。
『トムは真夜中の庭で』
フィリパ・ピアス 作 高杉 一郎 訳(岩波書店)
弟がはしかにかかったため、親戚の家に預けられたトム。古い大時計が、深夜に13回も鳴るのを聞いたことをきっかけに、裏口から不思議な庭園に行けるようになります。毎晩、庭園を訪れるようになったトムですが、ハティという女の子にしかその姿は見えていないようで......。時を超えた出会いを描いた、ミステリアスな物語です。
『戦場の秘密図書館』
マイク・トムソン 著 小国 綾子 編訳(文溪堂)
2011年から続く内戦により、戦場と化したシリアの街ダラヤ。その地下にかつて秘密の図書館が存在しました。がれきの中から本を救い出し、図書館を創設したのは街に残った学生たちでした。やがて多くの住民が訪れるようになり、図書館は皆の希望となります。武器ではなく知識により故郷を守ろうとした若者たちの軌跡をたどります。
『ミスターオレンジ』
トゥルース・マティ 作 野坂 悦子 訳 平澤 朋子 絵(朔北社)
第二次世界大戦下のニューヨーク。八百屋の三男ライナスは、オレンジを注文する風変りな画家と知り合います。真っ白な壁に赤・青・黄色の四角が貼り付けられた彼の不思議なアトリエは、いつしかライナスにとって特別な場所となり......。実在の画家をモデルに少年との交流を通して、想像力を持ち続ける事の大切さを描いた作品です。
『おとうふやさん』
飯野 まき さく(福音館書店)
やわらかい豆腐が固い大豆からできることを知って驚いたみっちゃんは、豆腐作りを見学させてもらうことになりました。商店街の豆腐屋さんでは、見たこともない道具や機械をたくさん使って、朝のまだ暗いうちから豆腐を作っています。大豆が、豆乳やおから、豆腐へと姿を変えていく様子を、一つ一つ丁寧に描いた科学絵本です。
『カテリネッラとおにのフライパン』
剣持 弘子 訳・再話 剣持 晶子 絵(こぐま社)
鬼からフライパンを借りたカテリネッラは、お礼にドーナツを持って行くと約束します。作ったドーナツがあまりにおいしかったので、鬼のために取っておいたドーナツも全部自分で食べてしまいました。困ったカテリネッラは、代わりに持って行くものを探しますが......。食べ物にまつわるイタリアの昔話が4話収録されています。