畑耕一翻訳 M・R・ジェイムズ怪談集
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.. James MRJamesはじめに本書は、作家 畑耕一が晩年に著した翻訳草稿の中から、M・R・ジェイムズの十作品を翻刻したものです。広島市立中央図書館の広島文学資料室では、広島にゆかりの深い作家の一人として、畑耕一に関する資料を収集しており、M・R・ジェイムズのほか、モーパッサン、リチャード・ミドルトンらの怪奇小説、幻想小説と呼ばれる短篇作品の翻訳草稿を、二〇点所蔵しています。M・R・ジェイムズ作品については、『CollectedGhost Stories of 序と十五作品の計十六点の翻訳草稿とともに、出版元であるEdward日付けの航空書簡が残されています。書簡には、同書の日本語版を出版したい旨、畑から照会を受けたことが書かれていますが、畑の願いは叶わず、現在までこれらの翻訳は出版されませんでした。大正二年、「三田文学」誌上に発表した「怪談」でデビューした畑は、国内外の怪談を集め、当時流行した怪談会へ通い、幽霊画のコレクションに熱中するなど、大変な怪談好きとして知られていました。戦後、郷土広島の文芸復興のため力を尽くした畑が、怪談に魅入られた作家として、晩年に取り組んだのがこれらの翻訳作品です。 現在、畑耕一作品のほとんどが絶版となっており、手に取る機会は限られています。本書をきっかけに、畑耕一とその作品へ関心を深めていただければ幸いです。 M・R・ジェイムズ(Montague Rhodes イギリスの作家、古文書学者。イートン校校長、ケンブリッジ大学副総長を務め、研究の傍ら、怪奇小説を執筆した。最初の作品集『好古家の怪談集』(一九〇四年)ほか、発表された約四〇篇の作品は、イギリス怪奇小説の古典として現在も高く評価されている。日本では、『M・R・ジェイムズ全集 全二巻』紀田順一郎/訳(創土社 昭和四八年)、『M・R・ジェイムズ怪談全集全二巻』紀田順一郎/訳(東京創元社平成十三年)などの翻訳が出版されている。一八六二―一九三六年)Arnold社から畑耕一に送られた一九五一年十二月十一』(EdwardArnold社 一九三一年)のうち、広島市立中央図書館 著者紹介― 4 ―

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